B級グルメの祭典『B-1グランプリ』で、グランプリ入賞を果たしたグルメを紹介していきます。全国的な知名度はないかもしれませんが、現地では半世紀以上前から親しまれているB級グルメもあり、その土地の食文化を垣間見ることができます。
対馬とんちゃん部隊 (長崎県対馬市)

☆☆第10回大会シルバーグランプリ
☆☆第7回大会シルバーグランプリ
上対馬とんちゃんとは、醤油や味噌をベースにニンニク、ごま油などの調味料を加えたタレを、豚のロース肉に漬け込んで、焼肉にして食べるB級グルメ。
在日韓国人から伝わった焼肉料理が、地元精肉店が対馬の地元の人の口に合うように工夫して広まいき、現在では対馬のソウルフードと呼ばれるまでになっています。
上対馬とんちゃんは、対馬にある精肉店や食堂、旅館などから取り寄せすることが可能です。
・上対馬とんちゃんの調理法
①お湯か水に浸して解凍(5~10分)
②キャベツ・にんじん・玉ねぎなど、好みの野菜を切る
③野菜ととんちゃんを炒める前に混ぜ合わせる
④油をひかずに焼き上げる
⑤仕上げに刻んだネギをふりかけて完成
浪江焼麺太国 (福島県双葉郡浪江町)

☆☆☆第8回大会ゴールドグランプリ
福島県双葉郡浪江町で、半世紀以上前から住民に親しまれているのが、極太麺の「なみえ焼きそば」。
B-1グランプリ第8回大会でゴールドグランプリを獲得したことで、福島県を代表するB級グルメになりました。
なみえ焼きそばの特徴は、①太麺の中華麺、②具材はもやしと豚肉、③味付けはソース。ここに、一味唐辛子を振りかけると、さらに美味しくなります。
現在、なみえ焼きそばは、浪江町を中心に21店舗で提供。浪江焼麺太国の検麺(認定)を受けたお店の目印は、「馬九行九(うまくいく)なみえ焼そば」です。
甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊 (山梨県甲府市)

☆☆☆第5回大会ゴールドグランプリ
甲府のそば屋の定番メニューとなっているのが「甲府鳥もつ煮」。1950年頃の甲府市内のそば屋で考案されたと言われている、歴史があるB級グルメです。
甲府鳥もつ煮の調理法は、少量のたれを使って強火で短時間のうちに照り煮するというものです。こうすることで、鳥のもつは水気が飛んで飴状になったタレにコーティングされて、旨味がギュッと閉じ込められます。
現在、甲府市近郊では50店舗以上のそば屋で甲府鳥もつ煮が提供されています。お店によっては、甲府鳥もつ煮に竹の子や椎茸を加えてご飯の上に盛った「鳥もつ丼」なる派生グルメも出てきています。
甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊の賛同店・認定店には、「甲府鳥もつ煮のぼり旗」が立っていますので、甲府鳥もつ煮を食べられるお店を探す際の目印にしてください。
津山ホルモンうどん研究会 (岡山県津山市)

☆☆第6回大会シルバーグランプリ
☆第4回大会ブロンズグランプリ
古くから牛馬の市が開かれていたなど、牛馬の流通拠点になっていた津山。新鮮なホルモンが手に入ったという土地柄、地域に根付いていったB級グルメです。
ハツ・ミノ・ハチノス・センマイ・ショウチョウ・シマショウなどホルモンが入っている津山ホルモンうどん。ホルモンの脂の旨みが、深みのあるタレのうどんとよく絡んで、美味しさの相乗効果をもたらしてくれます。
津山では、50軒以上のお店が津山ホルモンうどんを提供しており、お店によっては50年以上も前から提供しているところもあるそう。まさに、地域に根差したご当地B級グルメです。
津ぎょうざ小学校 (三重県津市)

☆第10回大会ブロンズグランプリ
津ぎょうざは、学校給食のメニューを発祥とする、出自が一風変わったB級グルメ。現在でも給食メニューのひとつで、子どもたちから人気があります。
津ぎょうざの特徴は何といってもその大きさ。直径15cmの皮を使っている、インパクト大の揚げ餃子です。
皮の直径が15cmにもなっているのは、給食調理員がぎょうざを包む手間を省けるようにするためだったとか。
2008年に三重県で最大級のイベント「津まつり」で、津ぎょうざが販売されると、2日間で400個が完売。
大きな話題となり、同年には市内の飲食店でも津ぎょうざが販売されるようになりました。現在、津ぎょうざは、食堂や居酒屋、道の駅など市内の34店舗で食べることができます。
今治焼豚玉子飯世界普及委員会 (愛媛県今治市)

☆第7回大会ブロンズグランプリ
今治焼豚玉子飯は、今治市内にあった「五番閣」(現在は閉店)のまかない料理がルーツとされている今治のB級グルメです。
半熟の目玉焼きと焼豚の切れ端に焼豚の煮汁をかけた今治焼豚玉子飯は、厨房での人気も高かったためにメニュー化が決定。
その後、五番閣から独立した料理人がメニュー化した今治焼豚玉子飯が話題となり、現在では市内の約60店舗でメニュー化されるほどにまでなっています。
焼豚の部位や厚さ、玉子の焼き具合、タレの濃度はお店によって特徴があるので、味の違いを比べてみるのも楽しいでしょう。
まとめ
B-1グランプリが初めて開催されたのは、2006年と比較的最近のことですが、このグランプリに出てくるB級グルメは、どれも歴史がある郷土料理といえるものも多くあります。B級グルメの本質は、その土地の食文化に触れることでもありますので、気になったグルメがあれば現地まで赴いてみてください。
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